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殺人鬼ゾディアック

            




  ゾディアックの挑戦状。下のマークが神戸連続殺傷事件の酒鬼薔薇に影響を与えたとも言われる。


 ゾディアックは全米で最も有名な未解決事件の犯人だろう。
 またその人気は高くゾディアックをあしらったTシャツなども売られており、丸に十字のマークなどは神戸の酒鬼薔薇などにも影響を与えたと言われる。
 IQ136を誇るアーサー・リー・アレンが最有力容疑者とされているが彼が死亡した現在決定的な事件の証拠は見つかっていない。
 事件から40年近くが経過した今、この事件の謎が解き明かされる可能性はないと言っていいだろう。


 ゾディアック事件は1968年から1974年にかけて発生した連続殺人事件である。
 最初の事件は1968年のクリスマスの近い12月20日、カリフォルニア州ヴァレイホ近くのデートコース通称恋人の道で発生した。
 犠牲者はデビッド・ファラデーという少年とベティルー・ジェンソンという少女で二人はまだ付き合い始めて数カ月のアツアツな機関を過ごしていた。
 まさかそれが殺人鬼の標的にされるなど夢にも思わずに……。
 事件当日、二人はハーモン貯水湖のポンプ小屋の陰に車を止め互いに抱き締めあいキスを交わすのに夢中になっていた。
 そのとき、突然車のドアが乱暴に叩かれデビッドが振り向くとそこには拳銃を持った太った男が立っていた。
 指示されるままに車から降りると男は躊躇することなくデビッドの頭部に弾丸を叩きこむ。
 悲鳴をあげて逃げるベティルーに向かって5発の弾丸が撃ち込まれベティルーもまた鮮血の中に沈んだ。
 数分後たまたま通りかかった車が二人を見つけ警察に通報したが、デビッドは即死しており、ベティルーも警察が到着する前に死亡した。
 犯人が現金も奪わず、ベティルーを暴行した形跡もなかったことから警察は殺害動機が全くわからず犯人の絞り込みに苦慮することになる。
 翌年の1969年7月4日の独立記念日、今度はポンプ小屋の現場からほど近いブルーロック・スプリングス公園で深夜23時デートを楽しんでいた一組のカップルが犠牲となる。
 被害者はマイケル・ルノー・マゴーとダーリーン・エリザベス・フェリンで、二人の乗る車の横に停車した車から一人の男が降りてくると突然二人に向けて発砲したのである。
 男はダーリーンに2発、マイケルに1発の弾丸を命中させると猛スピードで逃走していった。
 その翌朝、ヴァレイホ警察署に一本の電話がかかってくる。
 
 「殺しを二つ教えてやろう。コロンバス・パークウェイを1.6kmほど東へ行ってそこで茶色い車を見てみろ。ガキが二人死んでいるはずだ。撃ったのは9mmのルガーだ。去年湖でガキどもを
殺したのも俺だよ、じゃあな」

 すぐに警察は現場にかけつけるとそこですでに死亡しているダーリーンと意識不明のマイケルを発見。
 マイケルは病院で治療のすえ一命をとりとめた。
 マイケルの証言によると犯人は「太っていて背は高くも低くもない程度、顔は丸く髪はちぢれていて年齢は25歳から30歳ぐらい」とのことだった。
 実はダーリーンは以前から同じような特徴の男にストーキングされていたらしい。
 事件の4ケ月ほど前にベビーシッターが不審な白い車を目撃しており、このことをダーリーンに伝えると彼女は「私を見張っているのよ。だった私は彼が人を殺すのを見ちゃったんだもの」
と答えたという。
 また不審な男はダーリーンの新居のお披露目パーティーにも姿を現しており、このときダーリーンはひどく怯え男をリーと呼んでいたことをダーリーンの妹が覚えていた。

 

 公園の事件から4週間後の7月30日、今度はヴァレイホのタイムズ・ヘラルド社に一通の手紙が届く。
 手紙は汚い字で上記のダーリーン殺害に関する情報が記されており、その内容は犯人でしか知り得ないものが数多くあった。
 手紙の差出人にはゾディアックの文字が記されていた。

 手紙には犯人からのメッセージ以外に一通の暗号文が添えられていた。
 しかもこの暗号文はサンフランシスコクロニクル誌とエクザミナー誌にも送られており、この三枚の暗号を解けば差出人がわかる、ともこの暗号文が掲載されなけれな俺は車で走りまわって
10人以上の人を殺すとも書かれていた。
 犯人が大々的に自らの犯行を公表したいと考えていることは明白であった。
 警察の要請により手紙は一部のみとされたが暗号文は全文が三誌に記載され、全米がこの大胆な犯人に注目することとなる。
 なかでも暗号文を解こうと素人からプロまでがゾディアックの奇妙な暗号文に夢中になった。
 FBIや海軍の暗号専門部が挑戦したにもかかわらず、この暗号を解いたのはごく平凡な一人の高校教師であった。
 それによれば暗号は次のようなものだった。

 「俺は殺しが好きだ。とても楽しいから森で獣を殺すより楽しい。人間は一番危険な動物だ。殺人は俺にとって最高のスリルで女とセックスするより楽しい。特に楽しいのは俺が死んで楽園に
生まれ変わったときそいつらはそろって俺の奴隷になるということだ。俺の名前は言わない。言えばお前たちは俺が将来生まれ変わったときのために今やっている奴隷狩りを邪魔するかやめさせ
ようとするからだ」


 脅迫状が掲載されてから約2ケ月後の9月27日、ナパ谷のベルエッサ湖畔で食事をしていたパシフィック・ユニオンカレッジの二人の学生が新たな犠牲となった。
 ブライアン・ハートネルとシシリア・シェパードの二人である。
 彼らの前に突然覆面をつけた男が現れた。彼の胸には○に十字のマークが書かれていた。
 男は左手に拳銃、右手にナイフを持っており、ブライアンに向かって銃をつきつけ「金を出せ」と叫んだ。
 震える二人をロープで縛り上げると男はブライアンを背中から滅多突きにし、続いてシシリアの背中も滅多突きにすると、今度はひっくり返して胸と腹にもナイフを突き立てた。
 その後覆面の男は彼らの乗っていた車に黒のマジックで○に十字のマークを書きなぐり、そして前の二件の事件の殺人の日付を書くと悠々と立ち去って行った。
 ナパ警察署に電話があったのはその直後のようである。
 「また殺しを2件教えてやる」
 そう言ってドラ声の男は湖畔の特定の場所を説明した。
 急きょ警察が駆けつけるとそこには二人の男女が虫の息で転がされていたがこの時点ではまだ二人とも生きており、シシリアは2日後病院で死亡したがブライアンは一命を取り留め回復している。
 のちの調査でゾディアックが使ったのはナパ警察署から6ブロック離れた公衆電話であることが判明したが、有力な目撃情報を得ることはできなかった。
 こうしてみると女性のほうがいつも念入りに殺されている気がするのは管理人だけであろうか?
 
 ベルエッサ湖畔の事件から2週間しかたっていない10月11日、再び犠牲者が出た。
 今度はカップルではなくタクシーの運転手であった。
 犠牲者はポール・スタインであり、ノップ・ヒルのフェアモントホテルで褐色の髪で太った眼鏡の男を拾った彼はワシントン通りとチェリー通りの角で停止したところを男に後頭部へ数発の弾丸を
発射され即死。その後ポールから財布を抜き取りポールのシャツを引き裂いて指紋を拭いているところ偶然通りかかった車に発見された男はポレシディオ広場のほうへと逃走した。

 この事件の4日後サンフランシスコクロニクル誌に犯人からの手紙が届いた。

 「俺はゾディアックだ。タクシーの運転手を殺したのは俺だ。その気になれば昨日俺を逮捕できたのに残念だったな。ところで小学生というのはいいターゲットだ。いつかスクールバス一台分
皆殺しにしてやろうと思っている。タイヤを撃ち抜いてガキどもがバラバラに出てきたところを狙い撃ちにしてやるぜ」

 しかしこの事件でゾディアックは昼間二人にはっきりと目撃されており、彼らの協力をもとにモンタージュ写真が作成され公表された。
 公衆電話からもゾディアックのものと思われる指紋が採取され、警察は確実にゾディアックのもとに迫りつつあった。

 

 有名なゾディアックのモンタージュ写真。あまり太っている印象はない。


 事件から10日後、オークランド警察署に驚くべき電話がかかってきた。
 なんとゾディアックが自主するというのである。
 ただし

 「F・リー・ベイリーかメルヴィン・ベリーのような有名な弁護士をつけること」
 「人気番組であるジム・ダンパーの朝のトクーショーに出演して話をさせること」
 
 という条件をつけて。

 やってみる価値があると判断した警察は弁護士のメルヴィン・ベリーに弁護を依頼、そしてテレビ局のOKももらい前代未聞の犯罪者公開番組が成立した。
 念のためゾディアックの声を知る3人の人物が招かれ判定にあたることとなった。
 そして番組が始まった7時41分、本当にスタジオに電話がかかってきたのである。
 しかしその声はかぼそく震えており、ブライアンをはじめとする三人は別人であると断定した。

 「去年12月に人を殺してからずっと頭痛に悩まされている」
 「今も頭がガンガンするようだ……」

 スタジオにいたメルヴィン・ベリー弁護士は自首を勧めたがゾディアックを名乗る男は拒絶。その後二人で会う約束を取り付けはしたもののすっぽかされゾディアックが
姿を現すことはなかった。

 約束は破られたが代わりにメルヴィンのもとへ一通の手紙が届いた。
 差出人はゾディアックであり、別人でない証拠にタクシー運転手から斬り裂いた衣服の切れはしが同封されていた。

 「俺は自分から助けを求めることができない。俺の中にいるもう一人のあいつがそうさせてくれないからだ。だんだん自分にブレーキがかけられなくなっていくのがわかる。
もうすぐ9人目10人目を殺してしまいそうだ。助けてくれ、俺は溺れかけている」

 こういった内容であったがスペルはめちゃくちゃで内容も支離滅裂であり、かなり精神的に追い詰められていることが見て取れた。
 この手紙が本人のものだとすればやはりスタジオの電話も本人だったのだろうか?
 
 メルヴィンはこの手紙をサンフランシスコ警察に届けた。
 これまでのところゾディアックの犠牲者は死者5名であるはずだがいまだ知られていない3人が殺されている可能性が浮上したのである。
 しかしこの後警察にも手紙が届くようになり「殺したのは7人」「ほんとうは17人殺した」など断続的に1974年まで手紙は送られ続けた。
 そして1974年の「俺は37人殺した」という手紙にサンフランシスコ警察が「そんなに多くの死体はない」と反論すると手紙はぱったりと途絶えた。
 
  
 このゾディアック事件はメディアの露出度が大きかったために多くの模倣犯を生んだ。
 そのことも捜査を混乱させる原因のひとつとなったのかもしれない。
 果してゾディアックは誰なのか。
 近年ではあの有名なブラック・ダリア事件の容疑者とゾディアックの筆跡が一致したという情報もあり、義父がゾディアックであると名乗り出た話もある。
 しかし2013年4月27日現在警察はゾディアックの正体について沈黙を守ったままである。
 

 


 


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